早稲田大学臨床法学教育研究所

最新技術とリーガルサービス研究

ここ数年の間で、法律関係業界においても、AIや先端技術を駆使して業務の効率化を実現しようとする動きが広まってきており、実際に最新技術を活用した新しいサービスやシステムが提供され始めている。他方で、法律関係業界を規律する法令(弁護士法など)は、IT技術の発展を踏まえて策定されたものではないため、実体法と実務との間に乖離が起こるおそれがある。そのため、IT技術の急速な発展が法の理論と実務にいかなる影響を与えるかは、法学が取り組むべき重要な課題の一つとなっている。本研究では、主に以下の3つの研究を柱として、外部の弁護士や学者等と共同して調査研究を行っていく。

 

*    弁護士法をはじめとする法律関係業界を規律する法令の立法趣旨、当該法令に係る判例、学者や実務家等による解釈等について調査研究することで、具体的な運用実態を踏まえて当該法令の法理論を発展させる。【法理論の発展】

*    法律事務所や企業の法務部門等が抱える課題を踏まえて、現状においてどのような分野でAIを活用したリーガルテックが利用されているか、今後どのような分野で利用される可能性があるかについて調査研究を行ったうえで[1]、上記の法理論に照らしてAIを活用したリーガルテックが抱える課題を調査研究し、実務の発展・改革に寄与する。【法実務の改革】

*    法学生に対し、上記の法理論を踏まえて、法律関係業界においてIT技術をどのように活用することができるかについて実務的な教育を行う。【法学生の教育方法の開発】

 

公開の講演会、セミナー等については、HPのお知らせ欄をご覧ください。



[1] 契約書作成・管理、電子契約、リスクレビュー、規制庁による規制・報告等への対応、登記申請、証拠調査・保全、弁護士相談・紹介、法令・判例調査など、法律関係業界の様々な分野でリーガルテックは利用されており、今後も利用され得ると考えられる。