早稲田大学臨床法学教育研究所

「3+2」時代のプロフェッション性の涵養研究

 法科大学院におけるプロフェッション性の涵養は、その存在意義にも関わる問題である。プロフェッション性を学ぶにあたり有効な方法の一つは、実務法曹あるいは実務法曹を経験した者から、その経験を通してプロフェッションとしての思考方法を直接学ぶことである。しかしながら、法学部における法曹コースの設置及び法科大学院在学中受験制度の開始に伴い、法科大学院のカリキュラムはタイトとなり、プロフェッション性を学ぶにあたっての核といえるエクスターンシップやクリニックについて、学生の参加意欲を維持することができるか不透明である。また、「実務系の科目」の多くは3年次後期に集中し、その中での学生の選択にも限界がある。

 限られた時間の中で、法科大学院においてプロフェッション性の涵養をいかに図るべきか。また、法学部と連携した取組みも必要ではないか。このような関心から、以下の研究テーマについて、検討を行っていく。

 

① 法曹としての「プロフェッション性」とは何か。具体的には、いかなる要素からなるのか。

② 学生がプロフェッション性を学ぶ意義・目的は何か。学部生と法科大学院生とで、プロフェッション性を学ぶ意義・目的に違いはあるか、違いがあるとしてどのような違いか。⇒③と連関

③ プロフェッション性の教育のあり方として、具体的にはどのような方法が有効か。学年(あるいは学習の段階)に応じた違いはあるか、あるとすればどのような違いか。⇒②と連関

④ 法科大学院において涵養されたプロフェッション性を、実務法曹としていかに結実させるか。そこにおいて法科大学院が果たすことができる役割は何か。

 

今後実施される公開企画については、HPのお知らせ欄をご覧ください。